あとで考えます

ブログでやれ的な話

君はジャンガジャンガすることができるか

4thライブから1ヶ月弱…衣装展、ミニアルバム連続リリース、お渡しイベント開催とハニプラ陣営の怒涛の展開が発表されています。
https://twitter.com/8beatstory/status/1003592260120788992

 

もし4thライブの時点でこれらの情報が発表されていたら、あの日の2_wEiのソロライブ決定に対する印象や、ライブ後の感覚は全く違ったものになっていたと思います。これを敢えてライブ内で発表しなかった辺り、公式がストーリーに重ね合わせた「体験」を非常に大切にしているのだと感じます(もしかしたら本当に刹那的に展開を決めている故の急な発表かもしれない)。
ツイッター上でも指摘がありましたが、ライブの来場客がすべて熱心なアプリのプレイヤーではない(=2_wEiとの対立構造やハニプラの立ち位置などシナリオ上で描かれる文脈が客席全体で共有されていない)からこそ、2_wEiの乱入・躍進を歓声とともに迎える層と、それをストーリーに重ね合わせて緊張感をもって見守る層に客席の反応が二分化される状況が生み出されたようにも感じ、過大評価気味だとは思いますが運営側のプロデュース能力が恐ろしくなってきました。
そしてソロライブに向けて2_wEiの新曲ラッシュが想定されるところにハニプラ側も新曲が続々増えることもわかり、今後ますます充実した展開が約束されました。このコンテンツの収支バランスは常に気になるところなのですが、そんなことは本来受け手側が心配するべきことではないのかもしれません。


さて、継続してエビストについてご紹介してきたわけですが、いよいよストーリーに関わる部分も含めて楽しんでいただけるよう、キャラクターやシナリオ部分についてのご紹介を進めていきたいと思います。紹介にあたって、様々な作品やキャラクターを例えに出すことがあるかと思いますが、これは決して類似性を指摘して作品の価値を毀損する意図があってのことではないことをご承知置きください。
また、今回については世界観やプレイヤーの分身たる俺こと先生の紹介に留まるため問題はないかと思いますが、次回以降各キャラクターについてご紹介する際はメインストーリーへの重大なネタバレを含む内容となりますのでご注意ください(それでも、シナリオそのものを楽しめなくなることはないとは思いますが…)。

 


【世界観と大まかなストーリー】
時は西暦2031年ナナシスことTokyo 7th sistersの舞台の3年前)!人類は自ら生み出したAI「MOTHER」が作り出す音楽に魅了され、人類そのものの音楽活動は淘汰されようとしていた。「BIT空間」と呼ばれる仮想世界では、人類とMOTHER陣営の仮想パフォーマー「アンドロイド」がパフォーマンスを競い合う「ライブバトル」が繰り広げられているが、人類側は劣勢に立たされている…これが本編開始時点の大まかな世界背景です。そして、更なる未来に人類はMOTHERに完全敗北し、音楽は機械によって支配されてしまうこととなります。
人類自ら生み出した機械による反逆と、敗北した未来。その未来からやってくる「人類に味方するアンドロイド」…不朽の名作「ターミネーター2」を彷彿とさせる展開ですね。審判の日に突然反旗を翻すのではなく、人類の大半が将来の危機に無自覚なまま、好意的に侵攻を許しているという状況は更に悪い状況かもしれません。プレイヤーはじめ人類側(劇中ではヒューマンサイドと呼称)メインキャラクターの目的はMOTHERの侵攻を阻止し人類の音楽を守ることにあります。各キャラクターにはそれぞれが抱える問題や叶えたい夢がありますが、現時点ではMOTHERとの戦いこそが何よりも優先される「使命」となっています。

…予断ですが、この「アンドロイド」という存在が基本的に実体を持たないという設定は、2018年のメインシナリオ大改訂以降に初めて語られたと記憶しています。これは後に登場する実体をもったアンドロイドであるtype_Zのアップグレード感を際立たせるために追加されたもの、という印象がありましたが、実体をもたないパフォーマーのライブに生身の人間が熱狂する…という描写は初音ミクなどボーカロイドのライブなどにイメージが重なります。

youtu.be

ステージ上にキャラクターを投影するライブはアイカツ!ドリフェス!をはじめとして2次元アイドルコンテンツにも少しずつ浸透してきていると思いますし、つい先日には「岩本町芸能社」がVRアイドル「えのぐ」のライブを仮想ライブハウスで展開するとの発表があり(これがBIT空間でのライブには一番近いイメージなのではないでしょうか)SF的な舞台装置として、あながち飛躍した設定でもないのでは?とも思います。

VRアイドルに逢えるバーチャル劇場!『岩本町劇場』が8月10日にプレオープン決定!|株式会社岩本町芸能社のプレスリリース

 

 

【プレイヤーの代理人、先生について】
2次元アイドル作品のプレイヤーの代理人において、空気のような存在にするパターン(スクフェスやガルパ)やストーリーやキャラクターに関わるなど一定の存在感があるパターン(アイマスやときドル)があるかと思いますが、エビストは後者です。というか、こうして比較してみるとこんなに連続劇スタイルのストーリーを主軸にしたアプリは同ジャンルで異色だなと改めて感じますね。
「俺」こと「先生」は理事長の要請により音の杜学園に赴任してきた教師です。赴任早々、寮の地下から繋がる謎の空間に迷い込み、この学校の生徒たちが日夜人類の音楽の未来のために戦っていることを知ることとなります。その後彼は正式に、教師の傍ら彼女たちをサポートする「ビートマネージャー」という役割を担うことになるのでした。「校内の謎空間」「敵と戦う生徒たちのチーム」「それを支える教師」というキーワード、ニチアサをご覧の皆様におかれましてはピンとくるかもしれませんが、「全員が美少女になった仮面ライダー部と大杉先生」をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
そうです。あなたはアンガールズ田中です。

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仮面ライダーフォーゼは孤高のヒーロー像もある仮面ライダーを部活にしてしまう思い切った発想と、宇宙という壮大なモチーフながら基本的に事件はあくまで学園の中で発生するスケールのミニマムさのギャップが今となっては独特で面白い作品でしたね。因みに私が一番好きなフォームはインターナショナルオレンジが鮮やかなロケットステイツです。

エビストも各学年から集まった生徒たちが放課後になると仮想空間にアクセスし、シリアスな背景をもった戦いに身を投じるのですが、日常の学校生活との対比が絶妙な匙加減で楽しいです。

ちなみに「ビートマネージャー」が何をする人なのかというと、音響や照明を操作してライブを演出しパフォーマンスの補助をする役割のようで、現実世界だとPAなどに近いポジションでしょうか。アプリの本丸であるゲームパートは実際は御馴染みのシャンシャン系音ゲーなのですが、ライブバトルにおけるビートマネージャーのイメージしたものなのだと思われます(多分後付け)。
ライブバトルは仮想空間上でライブパフォーマンスを行い、その優劣を競い合うものとなっています。シナリオでの描写を参考にすると、同一楽曲・同タイミングでパフォーマンスをしている様子もあります。アイカツ!シリーズのライブオーディションのような光景が近いイメージかもしれません。
ライブバトルに参加しているヒューマンサイドのチームは音の杜学園以外にも複数存在することが語られており、共同で強化合宿を実施したり、敗戦続きで資格を剥奪される様子が描かれています。

異論もあると思いますが、個人的に先生の魅力は生徒との距離感のバランスにあると思っています。勿論、フィクションでの話なのでそれでも距離は近いとは思うのですが、あくまで教師と生徒の距離感を保ちながら強い絆が結ばれていくように描かれているように感じました。所謂女の子が沢山登場する中にいるギャルゲーの主人公的ポジションにおいて、各キャラクターと打ち解ける=恋愛感情が生まれるというのは一番わかりやすい描き方だと思います。何故ならギャルゲーにおいてはプレイヤーはその可愛い女の子と特別に親密な関係になりたいからで、それを踏襲した方が明快で各キャラクターにも見せ場が作りやすいからです(ハーレムものなど)。
先生の、非常に頼りない存在でありながらもストーリー構成の都合上ひっきりなしに浮上する各生徒達が抱える問題に対して大人として対応しようと奔走する姿は、おじさんになってくると女子高生と相思相愛になるよりよっぽど共感できる描写だなと思っています。一歩進んだアプローチを仕掛けてくるひなたや杏梨との関係も、難聴系主人公というよりは大人と子供の距離感なのだと思ってシナリオを読んでいます。
別にこれは独自性がある話ではないですし(ときドルについても比較的割り切った距離感で描かれている気はする)逆に担当するアイドルととことん親密になる方向性も全然アリだと思います、何故ならこういった作品自体がギャルゲーの系譜にあるから。ただ、ストーリー展開や主題に対するそれぞれの立ち位置を考えた上で、ストレスの少ない匙加減で描かれていることに好感をもっています。


上記の内容で世界観・先生についての話はひとまず終わりです。これからは3年生以降、学年単位で紹介していこうかと考えていますが、次回は趣向を変えて「The Bset of Pile」全曲紹介をお送りしようかと思います。

それはそうと、本日からエビストのイベント群がスタートしています。まずは秋葉原ゲーマーズでの衣装展示から。皆さんご参加いただければ幸いです。