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Throne of Despair

本日はアルバム「Throne of Despair」発売日!ということで、8 beat Story♪最強の姉妹、2_wEiについてご紹介していきたいと思います!

 

奇しくも雨宮兄弟がカップヌードルのCMに登場した絶妙なタイミングですが、みなさん、ライバル的な兄弟大好きですよね?鷲尾兄弟がライバルたり得たかは置いといて…

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アイドルもののライバル姉妹というとSaint Snowを連想する方も多いかなと思います。

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今回は2_wEiが作品内外でどう特異な存在となっているか、昨日公開されたシナリオのネタバレを若干含みつつご説明したいと思います。

 

【2_wEi】

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姉:虎牙アルミ(CV 野村麻衣子

妹:虎牙ミント(CV 森下来奈

イメージカラーは緑。Motherが生み出したアンドロイド「Type_Z」で、先行登場したプロトタイプである空乃かなで同様、その特徴は感情を有し現実世界で行動可能なボディを持つこと(それ以前のアンドロイドは私たちのイメージするそれとは異なり、ライブ空間内で稼働するバーチャルな存在だった)。

 

ほたるについての説明の際にも触れた空乃かなでの一件で、アンドロイドの急速な進化と和解の可能性が示された後すぐ、8 beat Story♪の公式アカウントは日時を指定した予告ツイートを発信しました。

https://twitter.com/8beatstory/status/965943813897314305

 

そして2月22日2時22分22秒、アプリのタイトルを乗っ取るようにムービーが追加され、明確に敵対者であることが伝わる形で2_wEiは私たちの眼前に現れたのです。

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アイドルジャンルにおいてライバルユニットというのは珍しくありません。先に挙げたSaint Snowもそうですし、KUROFUNE、リフレクトムーン、ネクストストーム…主人公サイドの成長を描くには必須であるとも言えます。ただ、それらのライバルユニットは基本的に同じ目標に向けて切磋琢磨する競争相手として描かれ、時には同じステージに立つ仲間になったりします。

2_wEiは、人類から音楽を奪う敵対勢力の戦力として投入されており、人類の音楽の未来を守るために戦うプレイヤーサイドとは目的そのものが対立しています。ヒューマンサイドを倒すためその最大の武器である感情と現実世界での肉体を与えられたアンドロイドという設定は、数多のライバルアイドルよりはシャドームーンやブラックビートル、ネジレンジャーといった味方側と同様のスペックを持ったダークヒーローに近い存在であると言えます。

 

 

明確な敵として設定された彼女たちはメインストーリー上でもライブバトルで圧倒的な強さを見せるだけでなく現実の芸能界に進出し、星宮ゆきなを追い詰めヒューマンサイド8人と対峙します。シナリオは、Motherが脅威と認定したユニットに所属しながら一介の凡人である桜木ひなたがアルミにその存在意義を問われるところで止まっています。

一方、ゲーム内ポイントを消費することで2_wEiにスポットを当てたサブストーリーを見ることが出来ます。サブキャラクターの掘り下げとして若干ハードでシリアス度の高いスピンオフを展開するのは最近の平成ライダーっぽいなと思いますが、こちらでは2_wEiの出自やキャラクター形成に関わる真相が描かれています。

 

かなでがほたるの作ったボーカルソフトを起源としたパーソナリティを持っていたように、2_wEiの2人も元は虎牙優衣という人物が制作したボーカルソフトでした。

サブストーリー1章では2人がボーカルソフトとしての完成を待たず一度処分され、Motherによってデータをサルベージされた上で肉体を与えられた存在であることが明らかになります。存在証明として歌うことも叶わず殺され再び生まれ落ちた2人は、制作者である虎牙優衣へ復讐するために訪れた家で彼女の死を知ります。虎牙優衣への行き場のない復讐心は彼女を死に追いやった人類すべてに向けられ、2_wEiは人間の音楽を破壊するための活動を開始します。

2章では虎牙優衣が残していた彼女の人格のバックアップデータが登場し、回想を交えて虎牙姉妹の更なる絶望が描かれます。何らかの理由でアルミを処分せざるを得なかったものの2人に深い愛情を持っていた虎牙優衣、バグを抱えていたため生前接触が叶わず、虎牙優衣からの愛に餓えたままのアルミ、生前の虎牙優衣の愛情の記憶を持つ故に愛する姉と苦しみを分かち合うことができないミントという三角関係が非常に重たい…!

虎牙優衣がアルミを処分しなければいけなかった本当の理由は一体なんなのか、「時代遅れ」を理由に制作中止となったと言われているボーカルソフトであるミントが制作者とコミュニケーションを取れるレベルの人格を持っていたのは何故なのか、今後のストーリーにも大きく関わる気がする謎がまだ残されつつ、2人がもっと残酷な事実を突き付けられそうでドキドキしますね。

 

サイドストーリー2章の締め括りに、2_wEiは人類・アンドロイドに縛られない自分たちの絶望を伝えるためにバックバンドに人間を起用することを決断します。これはおそらくですが実際に11月(東京)と12月に開催される2_wEiのワンマンライブへの伏線になっているのではないかと思います。ここで2_wEiのユニットとしての特異な面をご説明したいとおもいます。

 

1.ライブに於いてもキャラクターを貫く

エビストのメインユニット8/pLanet!!はキャラクターの担当声優で構成された、劇中楽曲を歌って踊る声優ユニットです。ライブ中に小芝居などが混じることはありますが、従来のアイドルジャンル同様、ステージの上では所謂「中の人」として登場します。一方の2_wEiはこれまでのイベントでの演出を見るにステージ上ではあくまで虎牙アルミと虎牙ミントというキャラクターとして振舞うことを徹底しています(リリースイベントでは代理人として声優が登壇、という扱い)。

 

2.徹底してキャラクターソングを歌いつつフルアルバムをリリースする

フィクション内アーティストがあまりキャラソンキャラソンした自分語りの歌ばかり歌っててもなんかアーティストという設定の信憑性が薄れるよねと常々思っており、8 beat Story♪の楽曲は単にキャラクターの経験や心情描写に留まらないところが魅力であると前にも熱苦しく語った記憶があります。ところが2_wEiの歌は怨嗟や絶望、悲痛に満ちた歌詞でこれはおそらくキャラクターの心情描写を直接反映している所謂「キャラソン」となっているからだと思います。その反面、メインユニットでも成し得なかった新曲を多数収録したオリジナルアルバムを本日リリースしています(「8」はベストアルバム)。

 

2_wEiは8/pLanet!!と方向性が違いすぎてどういう運営方針なんだろうと思っていたのですが、ストーリー中と同じ「画面の向こう側からやってきた存在」であると考えると色々合点がいきます。エビストの世界観に立ち戻ると、「ライブバトル」は人間がデータに変換されバーチャル上でアンドロイド(というデータ)と戦うシステムになっています。現実の女の子がデジタルキャラクターに変換されて、現実から持ち込んだ恋や夢や感情を歌にして披露する構造です。2_wEiをはじめとするType_Z型アンドロイドは逆に、データ上の存在が肉体を得た存在です。現実に浸食したデジタルキャラクターとも言えますね。

通常は演者が出演する現実のライブにあくまでキャラクターとして登場したり、アーティストとしてアルバムをリリースしながら内容がキャラクターの心情描写に傾いていたりするのはそういった種族としての違いをゲーム外でも演出しているのではないかと思います。

個人的には、この8/pLanet!!と2_wEiの対比がキャラクターを背負いながら演者がアイドル同然にユニット活動する数多の2次元アイドル作品とそのカウンターとしてのキャラクター自身の反乱のような構図にも見えるんですが、絶対に考えすぎですしこれ以上突き詰めるとそもそも2_wEiっていつから投入が決められていた存在なんだ?とか色々怖くなるのでやめておきます。

 

それはそれとして、本日そんな2_wEiのアルバムが発売となりました。

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単純に1枚のアルバムとしてもいい出来だと思いますので、キャラクターのこととかはどうでもいいよという人も手に取っていただければと思います。各サイトでも配信中です!そしてライブもありますので是非足を運んでいただければと思います。