あとで考えます

ブログでやれ的な話

2031年の強く生きろ

2018年11月18日、今年の紅白歌合戦出場も決定した2次元アイドルトップクラスユニットがシリーズ2度目の東京ドーム公演を行っている裏で、渋谷のライブハウスは2031年になっていたという日記です。

そうです、散々「これからヤバいから見て!」と言っていたアレ、8 beat Story♪です。

2次元アイドルの異端児となりつつある8 beat Story♪について - あとで考えます

Throne of Despair - あとで考えます

 

8 beat Story♪  2_wEi 1stワンマンLIVE

「Throne of Despair」東京公演

2018年11月18日(日)第1部 15:30〜16:30  第2部18:30〜19:30

渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

 

バタバタしてるうちに若干鮮度が落ちてしまいましたが、そりゃまあそっち行くよね!というのと重なったり、また残りの公演もあったり、自分の記録としても残しておきたいイベントとなりましたので、ザーッと書いておこうかなと思います。

 

2_wEiは「バーチャル空間の外でも活動可能なアンドロイド」という劇中の設定を体現するかのごとく、演者が従来の2次元アイドルのような中の人としてではなく、あくまでキャラクターそのままとしてステージに立って現実に侵食してくるという印象でした。が、今回はワンマンということもあり更に一歩踏み込んで私たちの方が劇中世界に引きずり込まれる形になりました。

アイドルやアーティストを題材にした作品は映像媒体でのライブシーンが大きな見せ場だと思うのですが、そのようなメディア展開がない作品において「俺たち自身が ライブシーンになる事だ」みたいな逆転の発想をぶちかましてくるとはね…発明だ!というほどではないのでどこかが先行してやってるのかもしれませんが。

 

今回の公演はプログラム前後のアナウンスもわざわざ機械的なエフェクトのかかった女性音声(おそらくモブアンドロイドという設定)となっており、警備スタッフを劇中に登場するアンドロイド側勢力であるSotFインダストリーの警備部隊として紹介したりと世界観を意識した内容で、まるでディズニーランドなどテーマパークような演出だと感じました。

開演前には2_wEiの生みの親である虎牙優衣から観客向けにメッセージが流れました。これはおそらくアプリ内のシナリオに触れていないファン層向けにこのライブの設定を説明する意図もあったのではないかと思うのですが、果たして伝わったのだろうかという点については少し疑問。知ってて聞いてる層は重たいエピソードを思い出してしんどくなったりしました。

 

開演後は何度かMCを挟みつつ、アルバム以前の楽曲をリリース順、その後アルバム楽曲を収録順に披露という構成で10曲1時間という同ジャンルでは近年稀に見るコンパクトかつ濃厚な内容となっていました。


2_wEi 1st Album「Throne of Despair」【8beatStory】

 

MCについても一貫してキャラクターとして進行し、少しコミカルなパートもありましたが最後はシリアスなメッセージで締めとなりました。

「自分たちはやり残して後悔したことがある。人生は何が起きるかわからないから会いたい人には会え。今を生きろ。(要約)」という、明言されていませんが第2章の出来事を指しているであろう内容となっており、同時に来月に青野菜月さんの卒業を控えた先生たちにとっては非常に刺さる話でもあり、その辺も踏まえて公式からのメッセージでもあったのかもしれません。

個人的には大切な存在を亡くした姉妹が黒いジャケットを羽織って「強く生きろ!」と言ってくるのでこれもう完全に雨宮兄弟じゃん…THE RED RAINじゃん(この後の曲は雨のような演出もあるNumbだし…)という謎の感動に包まれていました。単なる兄弟・姉妹キャラがライバルポジションでポンと出てきたくらいで実質雨宮兄弟!とか言ってる場合じゃあありませんよ。

 


『HiGH&LOW THE RED RAIN』予告

 

虎牙姉妹には今後SotFに追われる身になってゼロレンジコンバットで戦ってほしいですし、日本刀アンドロイド(彩芽の兄の用心棒とか…)とか現れて手足に鎖巻いて立ち向かってほしいですね。

 

 

2次元アイドル、イベントでは当然ながら中の人が生の人間として出てくるので、ライブコンテンツを大きな軸としている作品だと気付いたら声優の女の子自身の方に夢中になってたり、お馴染みのおっさん達が宙吊りになってるのを喜んで見てたりするわけで、たまに自分が元々何が好きで追っかけている作品だったのかよくわからない気持ちになることがあります。

勿論、時にはMCで切々と愛を語るほど演者の皆さんがキャラクターを愛しキャラクターを背負いキャラクターと共にステージに立ってくれているのは重々承知していてそれはそれで本当に嬉しいし有難いことなんですが、演者側の物語性があまりに強くなりすぎて、自分は何を求めて何に感動しているのかみたいなこと考えなくてもいいのに考えてしまうのです。

エビスト内でも8/pLanet!!は実際その流れを汲むユニットですし、キャラクターの物語と演者の物語が重なったりするのはやっぱり感動しますし、ステージでキラキラ輝いている姿は素敵で好きになってしまいますし、それはそれでまったく悪いことではないと思うんですけど…。

 

2_wEiはそれまでの演者とキャラクターが二人三脚でステージに立つことを強調する、劇中を再現した衣装やキャラクターに寄せた髪形・髪色という2次元アイドル王道のビジュアルアプローチがほとんどない代わりに、最初から最後まで徹底してキャラクターとしてパフォーマンスを見せてくれました。

アイマス先輩やナナシス先輩でも既に活躍している声優さんですし、客席側の反応はどうかな?と思っていましたが最後の方は割と本気でアルミ姉様にキャーキャー言ったり、ミンちゃんにヘラヘラしてる雰囲気になっていましたね。

2_wEiの1stワンマンはライブであったことは間違いないのですが、かなり舞台演劇的な方向性のイベントだったと思います。しかも単にステージ上で別の世界の物語が展開するのではなく、ライブハウス全体が舞台となり、観客である私たちもツヴァイのライブの観客という役割を与えられていたわけで、もはやこれは体感型アトラクションですよ。

 

キャラクター由来を大義名分とした声優アイドルユニットが役者としてのキャリアを積む時間を削ってでも歌ったり踊ったりしている意味についても時々頭を抱えていたのですが、このライブは役者だからこそ、というパフォーマンスで非常に感動しました。

ただでさえ激しい楽曲ばかりなのに、終始演じていなければならないのはそりゃあ1時間が限度だよねというハードさだと思うのですが、その恩恵として振り付けのない部分の振る舞いにも変な照れがなく、動きや表情が終始キャラクターそのもので本当にかっこよかったですね。

 

 

https://twitter.com/8beatstory/status/1065914644827492353

https://twitter.com/8beatstory/status/1065914644827492353

8 beat Story♪にはかつてリーディングイベントという、朗読劇とそこからシームレスに続くミニライブという、「演技」と「ライブ」を組み合わせるという点では前身ともいえるイベントがありまして、なかなか集客状況もよくなくて1回で終わってしまったのですが…前々からミュージカルとは違う形で、アプローチを試行錯誤していたのではないか?とも思います。

オタクのみんなはやっぱりライブじゃないと来ないかな?となったのかどうかは知りませんが、結果的にヒーローショー(怪人兼MCのベテランのおっさんに客席のキッズが連れて行かれたりするタイプのやつ)みたいなことをブームにかこつけて乱立したアイドルコンテンツのひとつみたいな作品にぶち込んでくる運営はやっぱり正気じゃないと思います。

別にミント役の森下来奈さんがヒーローショーが好きとか、進行役のお姉さんのバイトしてたとかが元アイドルがアイドル役の声優やってる的なエモい文脈として繋がってきさえしないくらいの思い切った展開ですよ…。

 

そんな2_wEi 1stワンマン、夜の部終了後に終演アナウンスにノイズが入り、追加公演の発表がりました。

https://twitter.com/8beatstory/status/1064131607991218

 

12月の大阪公演に続いて、東京でもまたやります!イベントの性質上、再演に近い形ではありますがFinalはシナリオ内でも匂わせていた生バンドですよ!すごい!

楽曲自体が同ジャンル屈指の強さだと思いますし、是非皆様遊びに行きましょう!

 

気掛かりなのはどんどん現実でも作品世界の中でも強大化していく2_wEiに人類は勝つことができるのでしょうか…そしてパトレンに今後活躍の目はあるのか…

ヒューマンサイド反撃の狼煙を8/pLanet!!が上げてくれることを信じて、来月はこちらの公演も観に来てください!スタート時からのメンバーとしては最後のイベントとなります…。