あとで考えます

ブログでやれ的な話

結局丸2ヶ月くらい「物語」をやっていた8 beat Story♪

さすがエビスト月間。

前回、8 beat Story♪の2週間にも渡るリアルタイムでの体験を強く意識した各種の連動展開についてご説明しましたが、実はあの一連の展開はメインストーリー12章の更新では終わっていなかった…というお話です。

ここまではメインユニットである8/pLanet!!の物語(スタートから3年でようやくユニット名がストーリーに反映されたの、よくよく考えなくとも気が長い話ですね…)でしたが、これに続いてサブユニットである2_wEiの物語が描かれました。

 

【これまでの2_wEi】

2_wEiこと虎牙アルミ・ミントはMotherが生み出した感情・肉体を持つ最強アンドロイド「Type_Z」の姉妹。その人格データは、開発者である虎牙優衣にデリートされたのちにMotherによってサルベージされたものだった。優衣への復讐を誓う2人だが、待ち受けていたのは虎牙優衣が既に個人であるという現実だった。行き場を失ったその矛先は人類とその音楽へ向けられることとなる。(第1章)

優衣が遺したパソコンから、ホログラムデータ・コガユイが現れる。アルミは交流の中でコガに心を開きかけるが、「ニセモノのオモチャ」だとしてパソコンごとこれを破壊する。偶然にも最期の瞬間にデータのロックが解除され、自らの「優衣に歌を聞いてほしい」という願いごとコガ=本物の優衣を破壊したことに気付いたアルミは慟哭する。2人は人間・アンドロイドに関係なく、2人だけの絶望を歌うことを誓うが、ミントは自身だけが持つ生前の優衣の記憶に苦しむのだった。(第2章)

 

【Heart 2 Heart】2019.07.01(配信開始:2019.07.24)

Heart 2 Heart

Heart 2 Heart

  • 2_wEi
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 シナリオ更新に先立ってリリースされた楽曲は、MMIXのジャケットでは骨だった翼に羽根が生えつつある2人が朝日をバックに立つイラストと、過去の呪縛を受け止め新しい世界に飛び出そうとする2_wEiとしては前向きな内容となっており、ここまで絶望の中にあった2人に新たな展開が待つことを想像させました。

ただ、この時はまだ7月後半から始まる怒涛の流れの序章にあたる存在だということには気付いていませんでした…。

 

【第3章:消せない過去】2019.08.10

アルミがコガを破壊することを止められなかったこと、優衣との幸せな記憶を自分だけが持つことに負い目を持つミントは、優衣とアルミの再会のためにある決意をします。一方アルミも、ミントが過去に囚われ苦しんでいること・自分がそれを分かち合えないことに思い悩んでいました。そんな中で2人はファンレターや街中で声をかけてきた人間のファンの様子から、人間が「思いを伝える」ことを大切にしていると気付いていきます。

ミントの決断、それは自らの身体に破損したパソコンやミント自身の記憶からサルベージした「虎牙優衣」の意識データを上書きすることでした。上書きにより消えゆくミントの意識は虎牙優衣とアルミ・ミントの3人が幸せに暮らすという、自身の渇望に侵食された存在しない記憶「幸せな悪夢」の繰り返しの中に閉じ込められていきます。この下りが実に叙情的でありながらSFを感じさせて唸らせられるんですが、優衣とアルミの再会のために選んだ消滅の過程で見るのが3人揃って幸せに暮らすという願っても叶わない夢で、しかも本人がこれは嘘だと自覚してそれを見てるの残酷すぎて痺れますね。

幸福なフィクションという形で過去に囚われ続けることを否定したミントはアルミに助けを求め、アルミも「2人一緒でなければ意味がない」と姉として必死に呼びかけます。虎牙優衣のインストールが失敗する形でミントは復活します(個人的には、今後のミントの中には何らかの優衣が遺したデータが眠っているのでは?と疑っていますが)。

アルミとミントは互いがそれぞれ違う形で過去に縛られていることを受け入れ、それを抱えて共に生きていくことを誓います。そして、今回の騒動の中で人間から届いたメッセージをきっかけに「新しい世界」へ駆け出していくのでした。シナリオは舞台袖からステージに向かう2人の様子を描いて幕を閉じています。

 

…ここで辿り着いた「辛い過去も抱きしめて生きていく」という結論や人間から学んだ「思いを伝えること」が、メインストーリー12章でわざわざ桜木ひなたに会いに来た時のコメントに繋がってくると思うんですが、普通に煽ってるようにしか見えないあたりアルミお姉ちゃんコミュ力が無さすぎる!まあ生まれたばかりだから…とはいえ、このやり取りのバックボーンにどんなエピソードがあったのか、想像の余地として後からサイドストーリーという形で公開されるのは純粋にシナリオとしてよく出来ていると思います(メインストーリーだけ見てると単に敵にしか見えないところも含めて)。

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【Frontal Crash】2019.08.15

シナリオ公開から僅か5日後に開催されたのは、2_wEiと「Heart 2 Heart」を提供したアーティスト・ナノのツーマンライブ。単純に動員とはリンクしていないと思いますが、ナノさんとエビスト公式はTwitterのフォロワー数が20倍近く差があります。そんな完全に相手の胸を借りる形の対バンでありながらエビスト公式は「サブストーリー3章を読んできてくれよな!」とマイペースにいつも通り興行をやるぞ!という宣言をぶちかましてきました。根本的に、2_wEiというユニットのステージが特異(徹頭徹尾キャラクターとしてライブ・MCを行い、演者としての顔を見せない)なのに加えて2次元アイドルジャンルではあまり見ない対バン形式、ファン数で見るとアウェイ、このイベントのために直前に更新されたシナリオなど、気になるポイントが多すぎてどういう気持ちで参加すればいいのかわからないまま、当日を迎えました。

 

・セットリスト

  • Despair
  • Lost in data
  • UNPLUG
  • LOVE HATE
  • Green Cat.
  • basement
  • Be alive
  • Numb
  • Heroic
  • Pain - pain

 

結論としては、おそらく3章ラストで描かれたライブをイメージしているとは思われるものの、ストーリー上衝撃の展開などは流石に起きませんでした。ただし、最後のMCで2人はこれまでのライブの中で、自分たちが歌う絶望に沢山の人間の声が返ってきた、人間の世界でもっと生きてみたくなったということを語り、やはり虎牙姉妹が次の段階に進み始めたことを感じさせました。12章で「音楽の楽しさを伝えるためにライブバトルで歌う」と宣言したひなたを見て、戦いを放棄したのもこういった心境の変化を受けてのことかもしれません(実際のこの辺の時系列はわからない、というか敢えて決めていないようですが)。

そして2_wEiパートの後にナノさんのパートとなり(割愛しますが流石のステージングでしたし黄色い声もすごかった)、全てが終わりアンコールとなりました。ステージに現れるのはナノさんと虎牙姉妹…ではなく、声優を務める野村麻衣子さんと森下来奈さん。いや、同じ人ではあるんですが、同じ2_wEiでもこのお二方と虎牙姉妹は別人なんですよ…

 

このほのぼのふわふわしたお二人が

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こうなので…(役者さんって、すごいね

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※写真は8 beat Story♪公式Twitterアカウントより

 

そもそも2_wEiの神妙なMCを真面目に見ていてくれたナノファンの皆さんもありがたかったんですが流石に揃ってMCするとなると演者として並ばざるを得ないか〜とか思ってたんですが、ここで今回の対バンを生んだ「Heart 2 Heart」を3人の人間から2人のアンドロイドへのメッセージとして歌う、という2_wEiファンとしてはサプライズな展開に。

2_wEiって、ハニプラを始めとした他のユニットと比較しても「キャラクターとキャストは別人」ということを徹底していて、この両者のシンクロ・同一視化に腐心している同ジャンルの中でも相当に異質な存在だと思います。そしてついに、表裏一体であるがために一番近くにいながらも並び立つことのできないキャラクターに向けてキャストが歌うという新たな段階に踏み込んだわけですね。

アルミとミントに渡された人間からのメッセージとは、なんだったのでしょうか。Heart 2 Heartの歌詞だったのか、このライブの企画の話だったのか、全く違うことだったのかもしれませんが、虎牙姉妹が過去の呪縛を受け入れて進んでいくことを決めた物語の最後に、人間からアンドロイドに向けた歌が歌われたということは、2人に新たな世界を掲示するとても重要な出来事だったと思います(演者として歌わざるを得ないから便宜的に、ということではないでしょうね、エビストのことなので…)。

それにしても最後に自分自身として歌う野村さんと森下さんを見て、2人がMCだけでなく歌っている間もずっとアルミとミントとしてステージに立っているということを改めて感じ(表情や立ち振る舞いが別物)、心身ともに相当にハードなライブなんだなと思いました。

 

Jailbreak】2019.08.21

メインストーリーはいよいよMotherとの直接対決を匂わせた12章の後に例の動画が公開され、物語はまだまだ終わらないことを匂わせました。一方のサブストーリーは3章で過去にまつわる絶望の物語に決着がつき、(アンドロイド勢力に新ユニット登場の気配があるのもあり)2_wEiについてはフェードアウトするのかな?と思っていました。

そんな中公開されたのが「Jailbreak」。

https://twitter.com/8beatstory/status/1164119662725963782?s=20

直近の「Heart 2 Heart」がストーリー同様に所謂エモい、感動的な方向に向かっていたのに対して、同ジャンルとしても類を見ないほどゴリゴリでデスボイスやシャウトが入っていないのが不思議なくらいのメタル曲でした(Fワードでピーはあります!そんなことあるか?自称・アイドル学園系のド本命なのに?)

コンピュータ用語での「脱獄」を意味するタイトルや現状からの離脱への決意を感じる歌詞など、12章での棄権を経たMotherとの確執や離反を思わせる危険な匂いのする楽曲となっています。8 beat Story♪、タイトルにStoryと入っているだけにどこまでも物語が強すぎる…。

 

 

【妄言:P.A.R.T.Y.〜ユニバース・フェスティバル】

公開以来「平成の凸凹!」とか「牢屋!」とか色々と話題の映画「仮面ライダージオウ Over Quartzer」。平成ライダーシリーズの締め括りということもありかなり力技の映画なのですが、不揃いで一見不恰好な過去と不確かな未来の肯定という「平成を生きてきた人間賛歌」とも取れる内容で個人的には非常に面白かったです。

なぜそんな話を最後にしているかということ、これは完全に妄言なのですが、この映画のラストシーンをまとめると下記のようになるのです。

 

未来を賭けた戦いを終えた仮面ライダージオウこと常盤ソウゴは帰路に着く。一時的に別れを告げていた仲間たちと再会の挨拶を交わし、皆と食卓を囲む。ソウゴは未来から来たツクヨミに「未来は誰にもわからないのだ」と楽しそうに説く。

 

なんとなく、何かに似ていると思いませんか?そう、8 beat Story♪メインストーリー12章です。

 

未来を賭けた戦いを終えた8/pLanet!!と俺こと先生は帰路に着く。一時的に別れを告げていたひなたはメンバー達と再会の挨拶を交わし、皆と食卓を囲む。先生は未来から来たメイに「未来は誰にもわからないから楽しいのだ」と説く。

 

まあだいぶこじつけではあるんですけど(あくまで妄言なので)、公開タイミングがほぼ同じでオチの絵面がだいぶ近いので、確かに先にジオウを見てからシナリオ読んだら最後に主題歌である「P.A.R.T.Y.〜ユニバース・フェスティバル」が流れてしまうな、という感じです。

youtu.be

この曲、発表された当初は最後の最後でゴリ押しの適当なタイアップかよと思ってたのですが、いざ映画館で流れるタイミングになるとこれ以上ない主題歌だ!となる不思議な曲でしたね…そしてこの歌詞がまた、8 beat Story♪の11・12章の展開を思い出させる内容になってるんですよ!私の幻想かもしれませんが!

 

DA PUMP P.A.R.T.Y.〜ユニバース ・フェスティバル〜

 

 めちゃくちゃ能天気な曲なんですが、歌詞を噛み締めて聞いていると8/pLanet!!最大のピンチから過去と未来を繋ぐひなたの歌声、そして復活という物語を思い出してジーンときちゃうんですよね、単に疲れてるだけかもしれませんが…。