あとで考えます

ブログでやれ的な話

さらばアプリ!エビストとの思い出とりあえず8つ

ご無沙汰しております。

最近、X(旧Twitter) の毒気にやられて距離を置くことを模索しております。

……全然そんな気配もなく入り浸っている気もしますが、 最終的にはnoteに軸足を移し、 インターネット独り言おじさんとして隠居したい意向です。

そんな暮らしを3ヶ月ほど続けている形です(一応こちらでやってます)。

以上、近況報告です。

 

さて、8年強の長きにわたり生き延びてきた我らが8 beat Story♪ことエビストですが、ついに本日23:59をもって 配信停止を迎えることとなりました。

配信停止とサービス終了の違いがよくわからないので、 明日以降何が起きるのかもわかってはいませんが、 アプリとして常に私たちの傍にあった現在の形には幕を下ろし、 一つの区切りを迎えるのは確かです。

 

幾度の困難を乗り越えて「8周年」 というタイトルに因んだ周年の日を迎えるまでよく持ち堪えてくれ たと思います。

3度のキャスト変更や台風による公演中止、 歴史の半分近くを占めるコロナ禍の状況と、 活動資金の運用サイクルもとっくに崩壊していたと思います。

Tシャツを売りさばきながらなんとか日銭を稼ぎ、 ここまで頑張ってきてくれたことには感謝しかありません。

 

個人的には運営会社の変遷が少し怪しく感じており、 この会社での発展的活動は難しいと思います。

(公式ページを見ればわかる通り、ゲーム開発・ 運営会社だったクロノスがいつの間にか毎週食事会を開催するビジ ネスマッチング支援企業GMOコネクトに転生している)

D4DJのように、IPごと(可能なら運営ちゃんごと)DONU TSあたりに移管されてほしいというのが正直な気持ちです。

 

とはいえあまりネガティブな話ばかりしていても気が滅入るだけで すので、 過去を振り返りながらエビストの良かったところやすごかったとこ ろを今日のこの日に書き残しておきたいと思います。

 

 

①二次元アイドルものとしては異色のハードなストーリー

エビストはμ'sのブレイク後に大量に生まれたアイドルコンテン ツの一つですが、 夢を叶えるとか輝きを追いかけるといった定番のテーマではなく、 暴走したAIと人類の未来を賭けて戦うというニチアサ的な異色の ストーリーだったことが大きな特徴だったと思います。

主役ユニットの8/pLanet!!(以下ハニプラ) だけでなく、第二・第三のユニットも登場しましたが、 同じ目標に向けて切磋琢磨するライバルではなく、 敵陣営の刺客として放たれた強敵として描かれています。

彼女たちはAIによって生み出されたアンドロイドで、 敗北や反抗の先には処分が待つという過酷な設定です。例えば、 討ち死にして退場した空乃かなで、機能的・ 精神的に何度も死の淵に追いやられる2_wEiの姿は衝撃的で、 同ジャンルの中でも異彩を放っていたと思います。

 

配信停止直前の今、明らかになっているストーリー上では、 ハニプラのリーダーである彩芽がアンドロイドに洗脳されそうにな ったり、2_wEiがまたも「生まれてこなければよかった」 と漏らす場面が予告されているなど、 穏やかじゃない展開が続いています。

「彼女たちの物語はこれからも続いていきます♪」 などと呑気なことを言っている場合じゃない修羅場なため、 どうにか続きの物語を見せてくれ……! という気持ちでいっぱいです。

 

 

②「AI」に真剣なSF設定

エビストは人間とAI(アンドロイド) が音楽の未来を賭けて戦う構図で、AIやそこに芽生える心を題材 としていることも特徴です。

AIやロボットに心が宿る、 という展開は古くからツルツルになるほど擦り倒されてきましたが 、 本作では現代の技術と地続きになるよう設定に拘っていると思いま す。

 

敵の親玉であるMotherは「音楽創造AI」という、 最近話題の尽きない生成AIが進化したような存在で、彼女が「 より良い音楽を生み出す」 命題から暴走したことが物語の発端となっています。

また、その使徒であるアンドロイド達に心が芽生えた理由も、 高度な人工知能ありきというよりは、 人間らしいパフォーマンスを研究し、 感情をエミュレートした結果、 バックグラウンドに心とでも呼ぶべき自己が確立された、 というロジックになっています。

 

このあたりの話については過去に記事にしているので、 そちらもご一読いただければと思います。

ohmameazuki.hatenadiary.com

 

 

③物語の展開にあわせた新機能

エビストは基本としてリズムゲームビジュアルノベル的な構成ですが、 期間限定で新機能が追加されたこともありました。

一つは「かなでAIトーク」で、 前述の通り戦死したアンドロイド・ 空乃かなでが遺したバックアップデータを再教育するという、 チャットボット的な機能です。2019年当時としてはこのような コンテンツには珍しい、AI技術を用いた機能のため、 プレリリースを出すほど気合が入っていました。

短期間で終了し、物足りない部分も正直ありましたが、 今では当たり前になった「AI」という存在について、 身近に感じるきっかけを与えてくれたと思います。

 

もう一つはユーザー同士の通信対戦モード「ライブバトル」です。

これ自体は珍しくない機能だと思いますが、 作中でアイドル達がしのぎを削る戦場と同じ名前を冠し、 先生達は興奮しましたね(下手だったけど楽しかった……)。

しかも散々プレイさせた後でストーリー上で「ライブバトル」 に参加することを疑問視する展開もあって、 当時の運営の尖りっぷりがうかがえますね……。

ohmameazuki.hatenadiary.com

 

④個性的な3ユニットによる105曲の楽曲

エビストの大きな魅力の一つは、105曲もの多彩な楽曲です。C Dでも展開されていましたが、 楽曲単体での配信販売を基本としており、 これがリリースのフットワークの軽さに繋がっていたと思います。 全曲サブスク解禁した途端、 一曲も新規配信がなくなってしまったのは愛嬌ですかね( そのせいでいまだにフル音源未公開の曲が1曲あるけど)。

 

ハニプラは王道アイドル路線でありつつ、 メンバーの組み合わせを固定しない・ キャラソン的にキャラや物語の事情に楽曲の内容を縛られないこと で、非常にバラエティ豊かなラインナップとなりました。 実現していない組み合わせもまだまだあるので、 聴いてみたかった……。

一方2_wEiはキャラクターの感情をそのまま表現したロックサ ウンドが特徴で、 絶望や怒りなど負の感情も全面に押し出しているところが当時とし ては斬新で、実際深く刺さった人も多かったと思います。

そしてB.A.Cの楽曲はEDMと宗教を融合させた過激で中毒性 のある、 愚かな人類を嘲笑いながら救いの手を差し伸べる彼女たちの歪んだ キャラクター性が如実に表した楽曲で、 曲数は少ないながらも強烈なインパクトを残しましたね。

 

 

⑤強いこだわりを感じる楽曲制作

分けて語るほどのことでもないかもしれませんが、 エビストの楽曲はホリプロ音楽制作部が担当し、 時に予算感を無視したような強いこだわりを感じることもありまし た。

ハニプラの「Rapidrock」 では高音が難しいパートながら生ブラスを起用し、B.A.Cの「 Blessing After Cataclysm」 では大先生室屋光一郎がストリングス参加するなど、 非常にこだわった楽曲制作がおこなわれています。 これはひとえに和田アキ子なども担当しているかいゆうきディレク ターの熱意の賜物だと思います。

 

「好きな楽曲発表ドラゴン」 的な記事も過去に何度か挙げているので、 よろしければ一読いただけたら嬉しいです。

神楽月さんお誕生日おめでとうございますだからという訳では無いけど神楽月さん参加楽曲ばかり紹介してしまった感じの日記 - あとで考えます

エビスト 11/92 - あとで考えます

エビスト聞いて!ただそれだけ! - あとで考えます

 

 

⑥規模感を超えるライブ演出

エビストのライブといえばレーザー!というほど、 会場の規模に対してもオーバースペックなほど派手なレーザー演出 が印象的でした。B.A.Cの録画配信ライブの収録でカメラにレ ーザーが直撃して壊れたなんて逸話もありましたね。

規模感の違いはあれど、ライブで稼いだお金、 全部ライブに使ってない?とここまで思うのはエビストとLDHく らいかもしれません。

ライブ映像は今のところ試聴動画で見ることができるので、 ご覧いただければと思います。

【視聴動画】8beatStory♪ 8/pLanet!! 6th LIVE 『A day / Years』[Blu-ray] - YouTube 

【視聴動画】8beatStory♪ 2_wEi 2nd LIVE Final 『Past 2 Present, Stand for the Future.』[Blu-ray] - YouTube

 

【視聴動画】8beatStory♪ B.A.C 1st Online LIVE 「On Your Mark.」[Blu-ray] - YouTube

 

また、 アンドロイド組のライブはキャストが徹頭徹尾キャラクターとして 振る舞い、 素を見せないという舞台演劇的な演出も特徴だと思います。 過激な発言も多いキャラクター像からキャストのイメージを守りつ つ、声優という俳優業のお芝居を直接見ることができ、 そして何よりキャラクターと同じ空間を共有しているような没入感 で他にない体験を提供してもらえたと思います。

 

 

⑦アプリで投票!一夜限りのガチンコリクエストライブ

ハニプラは、 ナンバリングライブの後に第二部的な構成でリクエストライブも開 催したことがありました。

やらせなしのガチ投票だったので、 ひなた役の社本悠さんの参加曲が立て続けにランクインしてステー ジに出ずっぱりとなったことで客席から笑いが起きていたのも懐か しいですね……。

二度目のリクエストライブでは楽曲だけでなく「 誰に歌ってほしいか」 もリクエストすることで投票型のシャッフルライブという画期的な イベントになりました。この時披露された「トキメキの15センチ 」での荻野さんの完璧な「あのね……(月バージョン)」 は今でも語り草になっていますし、 一切の映像化がないことが惜しまれます。

 

ライブコンテンツ系コンテンツのメディアミックス的に展開するア プリへのユーザー取り込みについてはどこも苦戦しているかと思い ますが、投票手段にアプリを使用することで、 ライブで聴きたい曲があるならアプリを期間中毎日開いて投票する 必要があるという連動はなかなかクレバーだったと思います。

結果論としてのアクティブユーザー数についての言及は避けますが 、ここの連動は面白い試みだったと思います。

 

 

⑧Tシャツ屋さん色紙屋さん

運営資金確保のために、多くのTシャツを販売して「Tシャツ屋」 「布屋」と呼ばれていたことも思い出深いですね。

公式通販で購入するとキャストのサイン色紙が特典になっていると いう、所謂特典商法的な売り方でもありましたが、 比較的良心的は商売に留めていたような気がします(なので途中で SMAからは断られていたような気もする)。

 

また、キャストサインだけでなく、 キャラクターからの宛名付きサイン色紙も大変好評でした。

私も最終的には各ユニットの推しキャラのサイン色紙を手に入れま したが、宛名の筆跡もキャラクターに合わせるという拘りようで、 キャラクターコンテンツとしては非常にうれしいグッズだったと思います。

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さらに、 公式イラストレーターによるミニイラストをリクエストできるとい うある種究極の特典まで存在しました。この時はTwitter上 でイラストを見せ合う交流が生まれたり、 とても楽しかった記憶があります。

この辺のある意味で丁寧なサービスは、 コンテンツが爆発的ヒットしなかったからこそ実現できた側面もあ り、手放しによかったこととすべきではないかもしれませんが、 エビストならではの楽しい思い出です。

 

 

……と、こんな風に個人的なポイントを8つ挙げてみました。 皆さんもこの機会に自身の好きなところ、 良かったと思うところを振り返ってみてはいかがでしょうか。

もちろん、このまま終わってしまうことなく、 物語の続きが紡がれ、新曲がリリースされたり、 再びライブイベントが開催される日を心待ちにしています。