あとで考えます

ブログでやれ的な話

明日エビストのイベントですが、Saint SnowのPV見たのでその話です

みなさん、こんばんは!

8 beat Story♪ 非公式webオンリーイベント「先生!webオンリーはじまっちゃうよ!」ではお楽しみでしたね。よくよく考えたらこちらでもお知らせをしておくべきだったのですが、会期中に結婚したり異動になったりとプライベートが尋常ではない激動ぶりだったのでお久しぶりです、ということになってしまいました。

それでも、想定を超える大変多くのみなさんに本を手にとっていただきましたこと、誠にありがとうございます。またいつか、世界観を楽しむ一助になるような提案ができるよう、妄想し続けていきたいと思います。

 

いよいよ今週末にはエビストのイベント「ONLINE ≠ REAL」が開催されます。リアル会場での実施とディレイ配信の二段構えの構成を前提としたこの企画は、新型コロナウイルス流行による6thライブ中止を受けた代替イベントでありながら、奇しくもエビスト初期のキャッチコピーである「バーチャル、リアルで輝く音楽を目指して!」とリンクする壮大な伏線回収としての側面も持ってしまい、大注目ではあるのですが、企画の全容が見えていないため、ディレイ配信を視聴した上でリポートしたいと考えています。

 

 

さて、今回は先日ようやく拝見したSaint Snowの1stシングル「Dazzling White Town」のPVの件です。

試聴動画の段階でも感じていたことですが、ラブライブのPVとして原点に返ったかのような構成であるとともに、Saint Snowが「Aqoursのライバル」として改めて立ち上がるための楽曲だと感じたので、個人的な記録として感想を残しておきたいと思います。これはすべて私見であり憶測です。

 


【試聴動画】ラブライブ!サンシャイン!! Saint Snow 1st シングル「Dazzling White Town」

 

まず「原点とは何か」というところですが、これは勿論、μ's(リリース当時「ラブライブ!」名義)の1stシングル「僕らのLIVE 君とのLIFE」です。楽曲も映像の方向性もまるで違うように見えるこの2曲ですが、「アニメの中のキャラクターが歌って踊るシーンを切り取った映像」ではなく「二次元アイドルのミュージックビデオ」としてつくられている点が共通していると思います。

 


【MV Full】µ's 1stシングル「僕らのLIVE 君とのLIFE」【スクスタリリース記念!】

 

このPVが初期AKB48のMVへのオマージュに溢れている点なども含め、特色については過去のエントリーでもお話しています。

ohmameazuki.hatenadiary.com

その後、TVアニメ化と共にラブライブ!とそのキャラクター達は具体的な物語を確立することで、アニメの世界観の住人になっていきました。TVアニメ内でも新たな楽曲を歌い踊るシーンが登場することで、PVとTVアニメの垣根は低くなり、ラブライブ!シリーズのPVは「ラブライブ!シリーズのPV」という独自のジャンルに進化を遂げ、TVアニメのスピンオフ映像的な色合いが濃くなりました。

その究極系ともいえるのが「未体験HORIZON」「A song for You! You? You!!」ではないでしょうか。

 

一方、「Dazzling White Town」については最初と最後にTVアニメの延長線上の物語が描かれているものの、「Smooth Criminal」のパロディから始まるPV本編では、Saint Snowのこれまでの物語や鹿角姉妹の関係性から切り離された、ダンスやイメージカットが主体の独立した映像作品になっています。

2次元アイドルの楽曲についてはよく、「不特定多数に発信している存在なのにその内容が所謂キャラソンなのは不自然なのではないか」という議論がありますが、その観点から見ても、バックボーンとして存在するTVアニメ2クール・劇場版1作で築いてきた物語ありきではない本作は、何もバックボーンがない時代に制作された「僕らのLIVE 君とのLIFE」と同様、「まだ彼女達を知らない存在に向けて作られた」デビューシングルに相応しい映像と感じました。

 

 

また、楽曲やPVの方向性も新鮮でした。

これまでのSaint Snowといえば、バンドサウンドを前面に押し出した楽曲でしたが、本作ではK-POPを思わせるダンスナンバーとなっています。カップリングにはこれまでの方向性の楽曲も収録されていますが、あえて1stシングルにこの曲をもってきたのは、改めて「Aqoursのライバル」としてデビューするためには必要なことであったと感じます。

 

μ'sのライバルユニットである「A-RISE」は当初アニメが1クール完結想定だったこともあってか、「超えるべき壁」としてのわかりやすい舞台装置という役割が与えられており、そのキャラクターや楽曲も、現実のアイドルというよりはアニメ的な文脈での「強キャラユニット」というイメージで作られていました。

一方のSaint SnowはA-RISEと差別化され「競い合うライバル」というポジションとなっています。そして、ひたむきな正統派ユニットとして描かれるAqoursと対になるために与えられたのが、「ストイックでアーティスト志向が強いユニット」という方向性です。

 

この方向性に大きく影響を与えたのは、BABYMETALではないかと思います。

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理亞役の佐藤日向さんと同じ「さくら学院」をルーツに持つこのアイドルユニットは、ラブライブ!サンシャイン!!展開初期である2010年代中盤において世界的人気を誇っていました。前年に公開された「Wake Up, Girls! Beyond the Bottom」にも、Saint Snow以上にBABYMETALを意識したユニット「ネクストストーム」が登場しています。 

 

しかし、登場から5年近い時間が流れ、元ネタがあまりにもハッキリとしたコンセプトのユニットであることもあり、半ば一発ネタであったネクストストームと違い長期展開していくのは難しい方向性であったのも確かです。その結果、逆に稀代の名曲である「Believe Again」や伝説のアメポリ座の聖衣衣装が誕生したりするところは運命の巡り合わせの面白さを感じてしまうところですが…。

 

さておき、アニメの物語をひと段落させ、新たな道を切り開いていくアクアの「ライバル」というポジションで改めてスタートを切るためには、「今」正統派アイドルに立ちはだかる存在は何なのか、初見の新規ユーザーにもわかりやすく、説得力のある個性を再付与する必要があります。そこで選ばれたのがK-POPだったのだと思います。

 


BLACKPINK – ‘Lovesick Girls’ M/V

 

BLACKPINKやBTSは韓国・日本での人気に留まらず今や世界で一番人気のあるアイドルユニットといっても過言ではありません(アイドルの定義にもよりますが…)し、その楽曲は邦楽アーティストにも大きく影響を与えています。アメリカ製のゲームであるリーグ・オブ・レジェンドのプロモーションでも「K/DA」というバーチャル K-POP アイドルが楽曲をリリースしています。

 


K/DA - POP/STARS (ft. Madison Beer, (G)I-DLE, Jaira Burns) | Music Video - League of Legends

 

時代に合わせてアップデートされた「Aqoursのライバル」としてのSaint Snowは、TVアニメのライバルキャラクターから二次元アイドルユニットとして生まれ変わったようにも感じます。新型コロナウイルスの影響も大きく、思うように動けない状況が続いていますが、Aqoursと共に新たな地平線を見せてくれることを楽しみにしています。

 

 

ここまで書いていて全然触れていないことに違和感を覚えた方もいらっしゃるかと思いますが、実のところ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」については前述の通りプライベートがあまりにバタバタしていたこともあり、映像展開を一切追えてない状況です。

Saint Snow以上にスタッフなど革新性のある作品がどのようになっているのか、非常に注目しており、今のうちに「ニジガクってうたプリじゃん!」という妄言を投げておきたいので早く見たいと思います。